古文献に見る神在餅についての記述【その他】

[物類称呼] 四 衣食

ぜんざいもち、京江戸共に云、上總にてじざいもち出雲にてじんざいもちと云、(神在餅と書くよし也)土佐にてじんざい煮といふ、上州にては小豆に餅を入て醤油にて煮、砂糖をのけて喰ふ、神在煮又善在煮などと称すと云り。

 ぜんざい餅は、京都、江戸共に云う。上総ではじざい餅、出雲ではじんざい餅という。(神在餅と書くとのことなり)土佐にてじんざい煮という。上州では小豆に餅を入れて醤油で煮て、砂糖をかけて食べる。神在煮又は善在煮などと云っているという。
  

[和漢音繹書言字考節用集] 巻第六 生植門 享保二年正月

神在餅 本朝雲州土俗十月和小豆煮餅以為神供謂之―――

 神在餅(じんざいもち) 本朝雲州の地方の習わしで十月小豆をあわせて餅を煮て、それを神に供えている。このことをいっている。

[中臣祓示蒙説解] 中 小早師永澄著 享保五年庚子仲秋序

 又俗餅を小豆にて煮たるをぜんざい餅といふ。これは出雲國に、十月を神在月といひて、神事を行ひ、家々に、小豆にて餅をにる。是を神在餅といふなり。これより世俗ぜん在餅といひあやまれり。餅はもちひの下略なり。

 又、俗に餅を小豆で煮たのをぜんざい餅という。これは、出雲国に、十月を神在月といって神事を行い、家々では小豆で餅を煮る。これを神在餅というのである。これより、世間ではぜん在餅と言い誤った。餅はもちいの下略である。