神ノ目山の御神池と御神木
500年以上変わらず伝えられてきた祭 神ノ目山の祭場のことを高天原ともよび、そこに神池と呼ぶ小さな窪みがあります。祭の期間中神社に張り巡らした注連縄と土幣12本を用い、この池の周りを円錐形に飾りつけます。池の中に御舟を入れ、神籬を置き、警蹕とともに神々をお送りします。 このとき齋主は秘音で「カコ」と三度唱えます。すると、神領の小鳥が3羽死に、御舟を導くという古い言い伝えがあります。 次に、傍にある御神木にクズカズラを三重に巻き、柳の削り懸け、桜の皮、土幣それぞれふたつづつを飾り付け、「一夜御水(いちやごす)」と呼ぶ一夜酒をカワラケに注ぎ御神木の根元に供え、齋主は御神木の前にひざまず跪き秘音で祓詞を唱えた後、十八度の奉幣を行います。 祭の内容は明応2(1493)年の当社縁起にほぼ同じ様式が記されており、少なくとも約500年の間変わらず行われてきたといえます。
神酒拝丁
一夜御水(いちやごすい) 神在祭の神等去出神事に献ずる「一夜御水」は鹿島町名分に住む井上家が世襲で奉献しています。井上家は中世の頃佐太神社の御神酒屋をつとめ、寛文の頃まで神領の神酒を管理していました。この「一夜御水」は一子相伝として醸し続けてきたもので嫡男以外は作るところを見ることもできないとされています。 神等去出神事が終わるとお供してきた参拝客は袋やパックを取り出し、銘々に「一夜御水」を頂いたり、家へ持ち帰って行きます。 神ノ目山から齋主以下齋員が社頭に戻ると灯りがともされ、久方振りに成就の御神楽(奏楽)を奏して祭を終えます。
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